2015年9月27日日曜日

Day3

D3 8/10
朝5時起床。スッキリ目覚める。
焼き玄米の朝食・・・(焼き玄米100gに、お茶漬けのもとと乾燥舞茸を混ぜたもの。これにお湯をひたひたになるくらい注いで5分待つ。)これは結構美味しくて、満腹。
支度を済ませ、7時出発。昨日思いついたように靴下の下にビニール袋を履いてみた。
歩きにくいけど、良い感じ?と思ったとたん浸水してしまった・・・
今日は膝まで埋まるような川を何度も渡った。雪解けの水は冷たく、ヒーヒー言いながら渡る。足が濡れるのにも慣れてきた。

靴を脱いで渡渉。



午前中はその後、乾いた長い道を進んだのでスピードを上げる事ができた。ただし、スポンジ状の浮き草の固まりのようなものに足をズボッっと取られる。こいつが現れるたびに、「ボブ出現!」と言って騒いでいた。(スポンジボブから命名)
大きな川には吊り橋がかかっていて、ゆらゆら揺れるので1人ずつ渡った。



 渡ったところでRostahyttaという小屋に到着。

2組のハイカーが出発するところだった。

大きな川があったのでダンナは持参した釣り竿を出して釣りをした。釣れなかったし、蚊の大群に襲われたので30分程で引き上げたが、ただ歩くだけでなく楽しめて嬉しそうだった。私も嬉しい。

釣りを楽しんでいる

それから1時間程歩いたところで、お昼ご飯。
見晴らしがよく気分が良い。今日はずっとよい天気だ。


休憩後は長い上り坂。ゼイゼイと登りきったところで、ヘルシンキから持ってきていた残りのオレンジを半分ずつ食す。オレンジの香りと果汁が口一いっぱいに広がり、何とも言えぬ美味しさ!疲れが吹き飛ぶ。
湿地を抜け、雪渓を歩いて渡ると急に風景が様変わりし、ゴツゴツした岩だらけの道になる。風が冷たく、気温も下がってきた。


私はこういう道が大の苦手!転んで脛を打ってしまうし、登りも下りもイワイワで、もう嫌だなあ・・・と思う。嫌だ嫌だと言うと楽しくなくなるし、苦手を克服したいので、集中して歩く。するとザックの重さを感じなくなるので不思議だ。ザックは11〜2キロの重さ、それでも重たいものは殆どダンナが持っていてくれているので軽い方なのだと思う。
身長150センチの私には10キロ以上の重さはズンとこたえる。肩や腰が痛くなると、無口になってくるのでダンナが察して休憩を入れてくれる。休憩でザックを降ろし、5分程休む。日本から持ってきたスルメを齧る!美味い!長く休むと動けなくなるので、またヨイショっと大きな声を出してザックを背負う。
そんな調子で、30分に1回は休憩をとり、ようやく本日の目的地である小屋が見えた。
テントを張りやすいところを見つけて今日は終了!12時間歩いて20キロほど進んだ。
途中の標識と、地図の距離が合わないので正確な距離がわからない。
テントを張ったとたん雨。タイミングが絶妙だった。

テントの中で日記を書いている
今日メモ
•3組のハイカー、1人の釣り人、3匹のネズミと出会う



2015年9月24日木曜日

Day2

D2 8/9
朝6時起床。したくを済ませ、8:00少し前に出発。昨日濡らしてしまった靴が乾いていないので、濡れたまま履く。歩き始めてすぐに湿地に埋もれて靴が濡れたので、はじめから足が濡れた状態で行く。
私の選んだ靴は普段から愛用しているアルトラ。この靴は軽くていいのだけれど、今回のような湿地歩きには向いていない。その事を、1日にして気づいてしまった。
ダンナは「靴選びをきちんとしなかったのは自分のせい」と言っているが、最終的に決めたのは私だし、いまここでぐずぐず言っても新しい靴が手に入る訳ではない。まあ、平気なんじゃない?と思う事にする。道は、湿地祭りでもうグズグズ。できるだけ濡れないように選んで足をおくとトナカイの糞が必ずあるという・・・
これをラップランドあるあるとする。さらに蚊もひどくヘッドネットが手放せない。
3時間歩いたのに、2kmしか進んでいない。これはラップランド進まない問題とする。

ザックを降ろして休憩してました。疲れている顔!

スウェーデンの道標は×印でこれを追って行く

川を渡ったり、湿地の繰り返し。足は常に濡れて冷たく、なんだかだるい。
そんな道を歩きながら、キルピスヤルビ→アビスコ200kmのレースをやったら面白そうだ、とかそんな話をする。
今日はトナカイは1頭しか見ず、川の石の間にネズミのようなリスのような小動物をたくさん見た。近づいても逃げなかった。雷鳥もいた。キーキーと鳴く鳥の声を良く聞いた。
10km程歩いただろうか・・・ようやくお昼ご飯。
12:00〜13:00までゆっくり休んだ。少し元気になる。
スウェーデンのPaltsa小屋に15:30到着。

小屋番のおじさんと
 
なぜ日本からこんなに遠くまできたのか?と不思議がられ、そういわれれば不思議だよねえ、と私も思う。
「800m行ったところに滝があるから見に行くといいよ」と言われるが、先を急ぐので写真だけ見せてもらった。何も先を急がずに見れば良かったと思ったが、先に進まなくてはという焦りの気持ちがあった。
今日出会ったのはハイカー2組、釣り人1組だった。
18:30、広々とした場所を見つけたのでノルウェーに入って少し歩いたところが今日のキャンプ地。8:00〜20:00まで歩くと決めていたけれど、疲れたのでその分明日がんばる事にする。なんだか、とっても疲れた。
よく歩いたと思ったけれど、15kmしか進んでいない。第1ステージのゴール190km先のアビスコにたどり着けるのか?

今日メモ
•白い綿の花が咲いているところは注意です!!(湿地)
•お昼のとき一度乾いた靴下に履き替えたら快適
•明日は靴の中にビニール袋を履いてみよう

Day1 歩きはじめる

帰ってきましたので、長くはなりますが30日間の記録を綴って行きたいと思います。
Day1〜Day31そしてエピローグまでお付き合いください!
主に日記からの引用なので、言葉使いが乱暴なのはお許しください。

D1 8/8
朝9:48ヘルシンキから北へ向かうこと16時間。コラリという駅に到着!
さらにここからバスに乗る。
我々の乗るバスは駅をおりてすぐのところに停車していた。

バスに乗り込むと乗客は3組だけで、隣のユッカスヤルビ行きのバスは混み合っていた。定刻通りバスは10:00に発車。ほどなく運転手から宿泊先を問われる。。。どうやら宿泊先までの送迎らしいのだが気持ちが先走り「私たちはホテルになんぞ泊まらないのです、だってテント泊ですからね〜」と勝ち誇ってみせたのだが、運転手は「じゃあ一番大きいホテルで降ろすよ」とテント泊にはふれてもらえなかった。で、降りた場所はキルピスヤルビホテル。13:20到着。現地の地図が売っている場所を教わり、そこで地図を購入。目的のビジターセンターが見つからないまま歩き始めてしまった。というのも、「ようこそキルピスヤルビ」的なものが何1つなく、トレイルの入り口のボート乗り場まで5キロ歩く、ボートの時間が待てなければそこから12キロ歩いて進んでくださいね、とホテルの人に聞いたから。ダンナは「ビジターセンターがあるはずなんだよ」と言っているが、それらしき建物はおろか、それらしき人々もいない。わらわらと北極圏トレイルに乗り込んで行く人たちについて行こうと思っていた私は途方に暮れた・・・
緊張のためか食欲はないが、ヘルシンキから持参した残りのパンはここで食べ、オレンジとアップルジュースは手に持って歩くことになった。
途方に暮れていても仕方がないので、まず目指すのは3国の国境点(フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)、とりあえず5キロ先にあるボート乗り場に向かって歩き始めた。ボート乗り場には15:30に到着。
しかしボートの時間は10:00、14:00、18:00の3便・・・2時間以上待つのは嫌だと言う意見は2人とも一致したの、でこの先も歩くことに。道に大きなトナカイがいる車道の脇を歩き、ようやくトレイルの入り口に到着。
ここから国境点まで12キロと思っていたが、これが大変。湿地でぬかるんでいるし、ガレ場はあるし、足を着こうとする場所にはトナカイの糞があるし・・・
標識は出ているもののフィンランド語なのでよくわからない。わかったのは、国立公園内ではキャンプしてはだめです、という事くらい。という事は国境点までは国立公園なので、それ以上の場所まで行かなければテントを張れないのだ。
トレイルの景色は美しく、視界が開けて楽しくなる。
だけど想像以上に12キロは長く、目的地に着いたのは夜の9:20になってしまった。白夜後なのでまだ明るい。

国境点で写真を撮り、ノルウェー側に入ってすぐのところを今宵のキャンプ地とした。
蚊がものすごい数よってきた、キンチョウ蚊取り線香を点火すると、すぐさま蚊はいなくなった!蚊取り線香!すばらしい!
緊張している私に、お湯を沸かして夕飯のアルファ米をダンナが作ってくれた。お腹が満たされると心も穏やかになる、うんなるよね。
私の機嫌=お腹がすいていないかどうか、を常にダンナは気にしているようだ。
そして、興奮冷めやらぬまま、はじめてこの地で眠りについたのでした。

2015年9月20日日曜日

帰国しました

日本時間9月19日午後12時半
羽田空港に到着しました!
え?羽田空港?と思われますか?

ふふ…
帰りの便も一波乱ありまして、ストックホルム→フランクフルト→アブダビ→成田空港
の予定が、ストックホルムで飛行機が予定通り飛ばず、2時間遅れでようやくフランクフルトに着きまして、次の乗り換え便には間に合わず、日本まで最速で行けるルフトハンザで羽田空港についた次第でございますー!
お昼代とチケットの再発行は航空会社の手配で、格安チケットも悪くないと思えました!

というわけで、明日からはトレイルを歩きはじめたところから書かせていただきます。



2015年9月18日金曜日

エストニアの首都はタリン

エストニアは何処だかわかりますか?


そう!ヘルシンキから近いのです。
というわけで、ヘルシンキからフェリーに乗りエストニアの首都タリンへ一泊旅行してきました。
今回の旅はいろんな乗り物に乗っています。
このフェリーはヘルシンキの港から2時間半でタリンに着きます。宿泊ホテル代込みで1人50ユーロという驚きの価格です。ヘルシンキを3時半に出港して夕方6時にタリンに着きました。

あーもう!なんだか素敵な街なのです。おとぎの国に飛び込んだようです。我々にとっての遅い新婚旅行だねーなどと浮かれ気分になりました。
ヘルシンキに比べて物価が安いので、夕食は久々に、人様の作ったものをいただきました!

だって、トレイルを1ヶ月歩いている間は、お湯でふやかしたものしか食べていないのです、痩せちゃいましたー!ラップランドダイエットですー!と言い訳をしつつ、美味しくいただきました。
酸味のある黒パンが大好きで、それを発酵させて作ったクワスという飲み物が美味しかったです。

フルーティで甘いシュワっとしたお味です。
ディナーを満喫した後は、ホテルのサウナで汗を流し、さっぱり。
トレイルを歩いていた時は最長11日間シャワーを浴びられなかったのですが、こう毎日シャワーやサウナに入れるという生活はなんて贅沢だとありがたく思いながら…
でもそれに慣れると、あたりまえの生活にすぐ逆戻りです。あんなに毎日お腹を空かせていたのに、毎日お腹いっぱい食べてしまう…

お腹いっぱいで幸せなのに、罪悪感を感じてしまいました…

さて、『それでもお腹いっぱい食べれる時は楽しまなくちゃ』と矛盾した考えをめぐらせながら、翌日は市内を観光しました

かわいい雑貨のお店がたくさんで、楽しいです!
1日街中を歩いて、夕方のフェリーでヘルシンキに戻りました。

思いがけず、素敵な旅ができました。
あと1泊と言わず、2泊したかったです。

素敵な街、エストニアの首都はタリンですよー!


2015年9月15日火曜日

フィンランド ヌークシオ国立公園

ラップランド歩き旅は、予定よりも1週間早く終わりまして…
早く帰国する事にしたのですが、な、なんと飛行機に空きがない!!!
いや、何度も言いますが我々がそもそも格安チケットで来たので、同じタイプの同じクラスの便に空きがないのです。
ケチらずに直行便を予約しておけば、行きに乗り換えに遅れる事もなくー、荷物がなくなる事もなくー、帰りの便を好きな日に変更する事もー可能!なのです。
格安という事は、まあつまりこういう事なのですね。

前置きが長くなりましたが…
そういうわけで1週間時間ができた為、またしてもヘルシンキに逆戻りしました。義姉宅に居候です。

せっかくなので、こちらでの生活を楽しむ事に!

フィンランドには、ハイキングや様々なアクティビティーを楽しめる国立公園がたくさんあります
その中でも、ヘルシンキから近いヌークシオ国立公園に行ってみる事にしました!
長い距離を歩いた後ですが、またハイキング?とは言わないでください。
ピクニックです!歩く事しか楽しめないわけじゃあないです。美術館やおしゃれな雑貨にだって興味はあるんですっ!

というわけで、サンドウィッチを作りコーヒーを水筒に入れ、ヘルシンキ中央駅からUという列車に乗ります
エスポー駅でバスに乗り換えて公園近くまで約1時間半、列車とバス共通で乗れるチケットは1人5ユーロです。

とても大きな公園!3つのハイキングコースから我々は最長の7㎞コースを進みました。

日本の国立公園では考えられない事ですが、皆それぞれ好きなところにテントを張ったりキャンプしてます。火を使えるところは決められてはいるものの、まき小屋まであります。
ソーセージを焼いて食べるのがフィンランド流らしく、至る所でソーセージが焼かれています。
どれが自分のソーセージなのか取り合いにならないかと心配するほどでした。

私がこの公園で気に入ったのは、ベリーが沢山実っていた事!
ラップランドで鍛えたベリー見つけ探知が、ここで反応します。
ブルーベリーとリンゴンベリーを摘んでヨーグルトとともに美味しくいただきました
自分が食べる分程であれば、好きに摘んで良いのです。
専用のベリー取り熊手のようなものを持ってバケツ一杯に摘んでいる人もいました。聞くところによると、ベリー摘み取り大会などというものがあるとか!
キノコもたくさん生えていましたが、あいにくキノコの知識がないので収穫はできませんでした。キノコ採りツアーも頼めばあるようです。
映画『かもめ食堂』で、もたいまさこさんが行く森がここですね。

ベリー摘みに夢中で、公園の素敵な景色を写真に撮り忘れました。
写真は公園のホームページから…

冬は雪と氷の中で遊べるようなので、また違う季節に来るのもいいな、来たいなぁ…来たいよね…と帰り道は話しながら楽しんできました。

長旅ならではの楽しみ方です!

2015年9月13日日曜日

ゴールしました

9月7日月曜日 現地時間午後2時
クビックヨック村(スウェーデン)にゴールしました。

第3ステージはパジェランタというトレイル160㎞をスルーハイク!
合計でちょうど1ヶ月で560㎞を歩きました!
当初の目的ではもう少し長い距離を、もう少し時間をかけて歩くつもりでしたが…9月になった途端気温が急に下がったこと、全ての小屋が6日でクローズということから早めに切り上げることに…

全てのステージの日々の様子は、改めて書きたいと思います。
怪我も事故もなく、1ヶ月ラップランドで過ごせたことは本当に奇跡のような出来事で、毎日が夢の中にいるような日々でした。
応援していただいた皆様、支えてくれた家族に感謝します。

ラップランドの魅力を多くの人に知ってもらいたいです。

帰国の便が前倒しできず、1週間北欧で過ごします。

北欧の魅力もお伝えしていきますので、今後もお付き合いください!